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現役小学校教師のプログラミング学習に対する思い~後編

Q4.

いま、プログラミング学習をスタートするに当たって自治体や教育委員会に求めることはありますか?

A.

 学校に最低1〜2人、プログラミング学習をサポートしてくれるプログラミングを理解している人材を

常駐でおいてほしいです。

できれば、プログラミング学習を専門に教える教員を配置してほしいです。

繰り返しにはなりますが私たち教師にとってプログラミングというのは全く未知のものです。

研修や疑似授業も繰り返しやって来ましたがそれだけでは経験不足なのは明白です。

こんな状態で本当に教えられるのか、教えていいのかと考えることもあります。

それでも学習指導要領で決められている内容は教師として教えないといけません。

 また、私たち教師の仕事は年々増える一方です。

その中で他の教科と同じレベルで教えられるようになるための研修時間を取ることは不可能です。

だからこそきちんと分かっている人の協力が不可欠なのです。

 

Q5.

今後のプログラミング学習(教育)をどう考えますか?

A.

 今後2〜3年はどの学校も手探りの状態が続くのではないかと思います。

今年は子どもたちには悪いとは思いますが教師自身がどう授業を進めて行けばよいのか、

どうサポートすればよいのかを学ぶ期間になってしまうと思います。

それを踏まえてようやく2年目(2021年度)から本当の意味での授業を開始できるようになるのではないでしょうか。

 ただ、一部の私立や自治体では企業が本格的にバックアップしている学校、地域があります。

こういったところはこの間に一気に差をつけると思います。

そうすると今後中学、高校と順次プログラミング学習が始まっていく中で中学入試、高校入試、大学入試など

学校選びの際に、この差が大きな壁になってしまうことはあると思います。

すぐにということはないと思いますが少なくとも2020年度の新5年生が卒業する頃には中学入試の内容に

含まれてくる可能性は十分あると思います。

教師としてはできるだけそうなってほしくはありませんが事実、既にスタートの時点で無視できないレベルの差が

ついてしまっているのが現実です。

 これは教師が言うべき言葉ではありませんが前述したような理由から学校によってプログラミング学習の習熟度に

大きく差が出るのは否めない状況です。

この差を埋めるには個人的に専門のプログラミング教室などで学ぶしかないです。

 現状、企業や自治体のサポートがしっかりしている学校と同じだけのことをするにはリソースも知識も

私たち一般の小学校教師には大幅に不足しているのが現実です。

これを進んだ学校と同等のレベルにまで持っていくには教師だけの力でなく自治体の力がないと不可能だと思います。

なぜなら小学校教師は全科目全てを一人の教師が担当するため、一つのことだけを突き詰めてやるわけにはいかないからです。

 

以上、現役の小学校教師の方にお話しいただいた内容です。

 

これは、あくまで今回お話しを伺った現役小学校教師の方の個人的な回答をまとめたものです。

他の教師の方々の意見を代表したものではありません。

 

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